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岩下 亮子(院長)

除菌治療はどれも同じ?




ピロリ菌の除菌が「誰にでも」保険診療でできるようになったのは約7年前です。

それ以前は、胃がんやその他、「すでに病気なってしまった人」しかできなかったので、ピロリ菌に罹っていそうであっても、特に患者さんに伝えないケースも多かったと思います。

さて、除菌治療というのは1次除菌・2次除菌に分かれています。

基本的には初めての除菌は1次除菌、1次除菌が失敗すれば2次除菌、というように進めていきます。

どちらも2種類の抗生剤と1種類の胃酸分泌抑制剤を使用するのですが、この胃酸分泌抑制剤に何を使用するかは、医師の裁量になります。また、実際にどれを選んでも治療効果に大きな差異はありませんでした。

しかし、数年前にボノプラザン(商品名:タケキャブ)が開発され、除菌治療に使用可能となって以来、これを胃酸分泌抑制剤として使用すると既存の除菌薬と比較して除菌効果に大きな差があることがわかりました。*1

実際に既存の薬を使用した際の除菌成功率が70-80%に対して、ボノプラザンを使用すると、90%以上が成功となったのです。



*1 「Helicobacter pylori 除菌治療の現状と除菌治療後の諸問題」, 「日本内科学会誌106巻1号」, P16-21.(https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/1/106_16/_pdf/-char/ja)※クリックでPDFファイルを開きます。

2次除菌に進むとお金も手間も2倍となります。

また、診療をしていると古い1次除菌療法で失敗した方で、ボノプラザンを使用した際に除菌が成功する方も見受けられます。

これから除菌する場合は必ずボノプラザンを使用する!こうした方法を知っている医師にかかってください。

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